2021/09/22 23:10



こんにちは!ALL SEASONS COFFEEスタッフの辻です。
コーヒー豆をグラインドする際、必ず出てくるのが「微粉」。
とにかく細かい粉のことです。
ご家庭でも手挽きのミルや電動グラインダーをお持ちの方であればよく目にするかと。
辺りを粉まみれにしたり静電気でくっ付いてブラシで掃除するはめになる、アレです。

どんなに優秀なグラインダーを使用しても微粉は発生します。
そして普段コーヒーを淹れる際、微粉も一緒にドリップしていることになります。
微粉はコーヒーに影響を与えます。
コーヒーの競技会でも微粉を取り除いている方もいます。

そんな微粉。取り除いたらどうなるのでしょう??
実際に試して味わいを確認してみましょう!

微粉を取り除くのに必要なものは、細かいメッシュになっているアミです。
要は茶漉しですね。
茶漉しで挽いた粉をふるいにかけると微粉だけが取り除かれます。
微粉を取り除く専用のコーヒー器具もありますよ。


こちらはサザコーヒーさんのパウダーコントロール。
「サザ缶」とか、よく耳にします。真っ赤でかわいい!


中はこんな感じで金属のメッシュがあり、そこに挽いたコーヒー豆を入れて
蓋をしてシャカシャカ振ると缶の中に微粉が取り除かれる、という仕組みです。
このパウダーコントロールを使用して微粉を取り除いていきます。



Before


After

30〜60秒程振ってみました。
ふるう前と後を見比べてみると、画像だとちょっとわかりづらいですが
粉の輪郭がはっきりと見えませんか?



そしてこちらが缶に残った微粉。
こうして集めてみるとココアパウダーのよう。サラッサラです。




ふるう前(微粉あり)と後(微粉なし)の粉のグラムを測ってみました。
ふるう前が17.7gで微粉を取り除いたら15.6gになりました。
2.1gの微粉が入っていたことになりますね。約一円玉2枚分!

では微粉をとりのぞいた粉を使用してドリップしてみましょう。

...


~ レシピ ~
コーヒー豆    :15g , 中細挽 ←微粉をセパレートした粉
お湯    :240ml
湯温    :90℃

攪拌したり投数を増やしたりして抽出効率をあげてみました。
挽目はいつもより細かいほうが良いかも。
そして、カリタウェーブを使用してみました。

使用する豆は当店のGuatemala。
オレンジのような甘さ、上品な酸味、ナッツのような余韻。
微粉を取り除くことにより、どうなるのでしょうか。


1投目(蒸らし)
沸き立てのお湯を円を書くようにコーヒー全体に渡り切るように30g注ぎます。
注ぐと同時にタイマーをスタートさせます。
ここでスプーンを使用して攪拌します。

2投目
30秒経過したら120gになるように注いでいきます。

3投目
お湯がドリッパーから落ち切る前に180gになるように注いでいきます。

4投目(最後)
お湯がドリッパーから落ち切る前に240gになるように注いでいきます。
落ちきりで抽出完了。


ドリップしていて、普段よりお湯が落ちるのが早く、
粉とお湯のなじみかたがいつもと違う印象でした。
微粉を取り除くと抽出にも影響があるんですね。

飲んでみるとクリアな味わいで、透き通っているとか、きれい、とかそういう印象。
Guatemalaのオレンジやナッツのようなフレーバーの輪郭がはっきりとしている。
ただ、ボディ感はちょっと弱め。

微粉を取り除くとクリーンになることが判明!!
コーヒー豆が持っている個性の輪郭をクリアに感じられる一杯でした。

デメリットとしてはこれを毎回やるのめんどくさすぎますよね。
特に手挽きのミルを使用している場合、淹れるまでの工程が増えて大変。
また、微粉を取り除くことを考えて豆を多めに挽くためロスがでてしまいます。

...

いかがでしょうか、微粉について。
微粉の良し悪しではなく飲みたい味わいによって使い分けてみるのが面白いのではないかと。
クリーンなコーヒーを飲みたい!という方は試してみてはいかがでしょうか。
特にフレンチプレスのような金属フィルターを使用している器具を使用すると、その差が顕著にわかるかと思います。
フレンチプレスのデメリットとしてあげられるのが「微粉」によって液体が粉っぽくなることですよね。
微粉を取り除くと全然微粉が残らなくてびっくりしますよ!

手間暇かけてリッチなコーヒーを飲んでみましょー